アラブ社会に介入してくるペルシャやローマ(現在のトルコ)を打ち払いアラブを統一するためにムハンマドが興した宗教、それがイスラーム。
だが現在では、そのイスラームを媒介してイランやトルコやその他イスラーム圏がアラブ社会に介入してくるようになってしまった。
『預言者ムハンマドの生涯』第二巻 アブー・ターリブとハディージャの死
http://ameblo.jp/ibn-ishaq/entry-10905797294.html (マッカの)多数の有力者たちがアブー・ターリブを訪れ、次のように言った、と私に語った。
「あなたは、我らに対する自分の立場を知っており、あなたが死に直面しているので、
我らはあなたのために事態を深刻に憂慮している。
あなたは、我らとあなたの甥との間の紛争を知っており、
彼をここに呼んで、彼が我らに干渉せず、我らも彼に干渉しない、と互いに合意させてほしい。
彼には彼の信ずるものを、我らには我らの信ずるものを認めようではないか」。
使徒がやって来るとアブー・ターリブは、「甥よ、これら名士の方々は、そなたに何かを与える代わりに、
そなたから何かを得るために、会いにやって来た」、と言った。
使徒は、「分かりました」と答え、「あなた方がアラブを支配し、ペルシャ人を服従させることができる、一つの言葉を私に与えてください」、と言った。
「お安い御用だ。
一つと言わず十の言葉を与えよう」、とアブー・ジャハルは言った。
使徒は、「あなた方は、アッラー以外に神はない、と言い、あなた方が主のほかに崇拝するものを拒絶しなければなりません」、と言った。
彼らは手をたたいて、「そなたはすべての神々を一つの神に束ねたいというのか、ムハンマドよ。
それは何と珍奇なことよ」、と言った。
そして彼らは口々に、「この男は、我らが望むものを何一つ与えようとしないのだから、
もう帰って、神が我らを審判するまで父祖の宗教を続けよう」、と言った。
彼らはそう言いながら戻って行った。