今回戻ったのは、かつて龍安寺が所蔵していたふすま絵9面で、21日午前、厳重にこん包された状態で運び込まれました。
ふすま絵は、いずれも植物の「バショウ」が大きく描かれ、背景に金ぱくを施した豪華な作りとなっています。高さは約1メートル80センチで、9面並べると幅は11メートル近くになります。
寺によりますと、桃山時代に「狩野派」もしくは「海北派」の絵師が手がけたとみられ、かつては国の重要文化財に指定されている本堂の「方丈」に飾られていました。
しかし、明治初期に寺院や仏像の破壊などを行った「廃仏毀釈」の運動によって衰退した寺が、ほかのふすま絵とともに明治28年に手放したということです。
その後は、国の内外を転々としましたが、このほど国内の収集家から購入することができたため、123年ぶりに寺に戻りました。
龍安寺の岩田晃治事務長は「ふすま絵が戻ってきて感無量のひと言につきます。できるだけ多くの方に見ていただきたいです」と話していました。このふすま絵は来月10日から一般に公開されます。
2018年12月21日 18時48分
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