![アライグマはラーメン派? 猟友会、わなの餌に即席麺 「油っこさや香ばしさが大好物」 [きつねうどん★]YouTube動画>1本 ->画像>3枚](https://i.kobe-np.co.jp/news/miki/202209/img/d_15629635.jpg)
「アライグマはインスタントラーメンが好きらしいよ」。取材で兵庫県の三木市内の山道を歩いている途中、同行者が茂みに置かれたケージを指して教えてくれた。生態系や農作物に被害をもたらし、「特定外来生物」に指定されているアライグマ。仕掛けわなへとおびき寄せるため、即席麺を餌に使っているという。(小野萌海)
環境省などのホームページによると、北米原産のアライグマは一時期ペットとして日本に輸入されたが、飼育が難しく放棄され、増えたとされる。雑食性で農作物やカエル、魚、昆虫などを食べ、日本の固有在来種への影響や農作物の被害が懸念されている。また、民家への侵入や感染症を媒介する恐れもある。現在法律によって、飼育や放出が禁じられている。
三木市農業振興課によると、市内ではブドウやイチゴ、スイカ、カボチャなどの農作物がアライグマの被害に遭っている。市は対策として、農家に仕掛けわなを貸し出し、捕まったアライグマは猟友会の会員が回収している。2021年度の市内のアライグマ捕獲数は1875頭に上り、近隣の加東市(409頭)、三田市(429頭)を大きく上回る。
県猟友会三木支部会員の稲見泰男さん(73)に尋ねると、市内の猟友会では即席麺を仕掛けわなの餌に使っているという。野菜や果物を好むが「インスタントラーメンでもアライグマが(わなに)よく入る」と、会員内で情報が広まり、今は猟友会が廃棄扱いになった即席麺を市外の工場から購入している。餌は縦横約30センチ、奥行き約90センチのわなの中に置き、アライグマが餌を取ると入り口のふたが閉まる仕組みだ。
アライグマの生態を研究する兵庫県立大の栗山武夫准教授によると、即席麺の油っこさや香ばしい匂いがアライグマを引きつけるという。袋麺は三木特有で、県内ではアジフライや菓子の「キャラメルコーン」などを使う例も。栗山准教授は「地域ごとの文化が表れる」と話す。
深刻化するアライグマ被害。昨年度、県内では8千頭以上が捕獲され、三木市は神戸市に次いで2番目に多い。同センターは野生動物への餌付けや、生ごみや収穫しない作物を放置する「無意識の餌付け」への注意を呼びかけている。
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