
(アリエルさんのフェイスブックから)
ラフティングの最中に義足をなくした女性が、新しく手に入れたものとは?
米地方テレビ局KGW(7月30日付電子版)などによると、オレゴン州に住む女性、アリエル・リグニーさん(32)は10代の時に交通事故に遭い、右脚を失った。
もともとスポーツや屋外活動が大好きなアリエルさんは、高性能の義足を装着し、事故前にも劣らずにアクティブな生活をしていた。
32歳の誕生日だった7月27日、アリエルさんは友人たちとミロ・マッキバー州立公園を流れるクラカマス川に行き、ラフト(いかだ)で川下りをして誕生日を祝った。ここ数年、続けているお気に入りの誕生日の過ごし方だった。
ところが、川を下る途中、激流のところでラフトが大きくジャンプ。義足を結んでいたロープがほどけ、義足が川の中に落ちてしまった。
流れが緩くなったところで、友人たちが義足を探しに行ったが、見つけることができなかった。
この時の気持ちを、アリエルさんはKGWにこう語った。
「自分がとてつもないバカに思えました。いったい足をなくす人がどこにいる? しかも2回も……そんな感じでした」
ガックリきているアリエルさんに、友人たちは「事情をフェイスブックに投稿してみなよ。ひょっとしたら、誰かが見つけて、連絡してくれるかも」と勧めた。
アリエルさんは、あまり期待せずにフェイスブックに記事を投稿。しかし、これが大正解!
翌28日、同州タイガードに住むエリック・ガントナーさんは、クラカマス川でシュノーケリングをしていた。もちろん、この時、アリエルさんの義足に関しては何も知らなかった。
最初、川底に見えたのはレインボーカラーのサンダルだった。近づいてよく見ると、それが義足であることが分かったという。
「川底でいろんなものを見てきたけど、これには驚きました」
「あーあ、誰かが不運に見舞われたってわけか、と思いました」
そう振り返るエリックさんは義足を持って帰宅し、〈脚の落とし物(Lost leg)〉〈クラカマス川〉で検索したところ、アリエルさんの投稿がヒット!
さっそくコンタクトを取り、事情を説明。〈これかな?〉というメッセージとともに、義足の写真を送信した。
すると、〈イエーーース!〉〈何てことでしょう〉という返事が返ってきた。
その日の夜、2人は直接会った。エリックさんは義足を渡し、アリエルさんが持ってきたビールを一緒に飲んで、あれこれ話をしたという。
KGWは、こんなクールな文章で記事を締めくくっている。
「そう、確かに義足が見つかったのは素晴らしい。でもこの日、クラカマス川から回収された最高の宝物は、新しい友情だろう」
写真はその時のツーショット。2人の笑顔からは、確かに始まったばかりの友情が伝わってくる。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/259584