東大法学部生が知っておきたい「年収重視なら、弁護士と外銀のどちらがオススメ?」
https://www.onecareer.jp/articles/2245 一口に「弁護士」とは言っても、その年収は働く場所によってピンキリである。以下、弁護士の年収をカテゴリー別に分析してみる。
(1)四大法律事務所の渉外弁護士:パートナーに上がれるかが肝
四大法律事務所の初任給はボーナスも含めて1200万円程度が相場だ。
その後、毎年少しずつ増額し、5~6年後の年収は2000万円程度になるだろう。
だが、その先が厳しい。一番下のアソシエイトの年収は2500万円位で頭打ちとなり、3000万円の壁を破るのはなかなか難しいという。
また、従来であれば30代半ばくらいでほぼ全員がパートナーに昇格できたのだが、今はそういう訳には行かない。
事務所によって異なるが、同期入所者のうちパートナーになれるのは5~6人に1人とも言われているし、
パートナーに昇格するまでの時間もかつてよりかかる。
しかし、もし四大法律事務所のパートナーまで昇格できれば、4000~5000万円以上の年収は期待できるだろう。
そして、事務所に出資しているエクイティ・パートナーになると、年収1億円以上も期待できる。
もちろん、ここまで到達するのは至難の業だろうが。
(2)インハウス(企業内)弁護士:ワークライフバランス重視ならオススメ
インハウス弁護士の年収は業界によって異なるが、その頂点が外銀のインハウス弁護士である。
ボリュームゾーンのVPレベルだと年収は2000~3000万円くらいなので、四大法律事務所のアソシエイトと変わらないが
ワークライフバランスは外銀の方が格段に良い。ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、UBSといった大手外銀の
MDまで昇格できれば、今でも5000万~1億円程度は期待できるだろう。だがこちらも、リーマンショックの影響を受け、
以前ほどの高給は期待できなくなってきているし、優良な空きポジションは少ない。
外銀以外の業界のインハウス弁護士となると、年俸水準は大きく見劣りしてしまう。例えば、外資系製薬会社は好んで
インハウス弁護士を採用するが、部長クラスでも年収1800万円というのはザラであり、四大法律事務所の入所3年目位
のアソシエイトと同じか、場合によってはそれ以下になってしまう。さらに、総合商社、国内系金融機関にインハウスとして
就職する弁護士もいるが、年収水準は普通の総合職社員と変わらず、1200~1400万円というレベルである。
(3)「町弁」として独立:弁護士数増加により年収は低下傾向
司法制度改革による弁護士数の増加の影響を最も受けたのが、このセグメントではないだろうか。かつては弁護士数が少なかったので、
町弁として独立すると年収2000~3000万円は可能というイメージであったが、今ではそういうわけにはいかなくなっている。
とはいえ、たまにメディアで取り上げられる「弁護士なのに年収300万円」というのは極めて例外的だ。たしかに都心での
独立開業は難しくなっているものの、都心から少し離れれば年収1000万円以上はまだ可能のようだ。
外銀の年収水準:入社3年で2000万円だが、残っているのは2~3割
外資系金融は企業によって年収格差が存在するし、相場状況によってボーナスの水準が大きく変動する。
このため、一般化は難しいところだが、大体新卒のアナリスト1年目で1000万円、入社3年目のアソシエイト昇格時には約2000万円、
30歳くらいでVPに昇格できると年収2500~5000万円くらいが期待できるだろう。
そして、最高到達点であるMD(35歳~)に昇格すると、年収7000万円~数億円が期待できる(※)。大変夢のある世界だ。
しかし外銀の場合も、入社3年後のアソシエイト昇格時まで残っているのは2~3割という厳しい世界なので、
外銀に入ったからといって上記のような年収が保証されるわけではない。