https://mainichi.jp/articles/20210701/k00/00m/010/332000c
毎日新聞 2021/7/1 20:25(最終更新 7/1 21:39) 980文字
候補者に声援を送る有権者ら=神戸市中央区で2021年7月1日午前9時25分、梅田麻衣子撮影
1日告示された兵庫県知事選は無所属新人5人が立候補し、自民党が分裂する中で日本維新の会が初参戦したことで、秋までにある衆院選をにらんだ駆け引きが展開された。両党が推薦する元大阪府財政課長の斎藤元彦氏(43)の出陣式は、最初に行われた神戸市では両党が参加したものの、その後、兵庫県姫路市は自民、尼崎市は維新が単独で開き、すみ分けを徹底した。一方、元副知事の金沢和夫氏(65)の出陣式では自民党県議団所属の県議会議長が応援演説し、井戸敏三知事(75)も「大阪対兵庫の戦いだ」と維新への警戒心をあらわにした。知事選の投開票は18日。
斎藤氏の神戸市での出陣式には、自民党幹事長代行の野田聖子衆院議員が応援に駆けつけた。党県連会長の谷公一衆院議員は維新に触れず「自民党は幅広い仲間が斎藤氏を知事にふさわしいと選んだ」とあいさつし、兵庫維新の会代表の室井邦彦参院議員は「皆様とともに斎藤氏のために知事選を戦えることを光栄に思っている」と述べた。
兵庫県知事選が告示され、有権者に握手の代わりにグータッチで支持を訴える候補者(左)=神戸市中央区で2021年7月1日午前9時59分、久保玲撮影
斎藤氏は昼過ぎに姫路市で自民と、夕方には尼崎市で維新と出陣式に臨んだ。出席した日本維新の会の馬場伸幸幹事長は「改革の先頭を走る若武者として推挙した。しがらみのない政治を実現するリーダーになってもらい、兵庫でも改革を実現していきたい」と訴えた。斎藤氏の陣営関係者によると、今後も日程を両党で振り分けて応援するという。
一方、金沢氏の出陣式は自民県議団所属の兵庫県議会副議長が司会を務め、藤本百男議長が「党県議団32人の同志は最後までしっかり応援していく」と声を張り上げた。谷県連会長は6月、複数回にわたり、党推薦候補を不利にしないようにとの注意喚起の文書を出している。藤本議長は取材に「責任と誇りを持って粛々とやっている」と強調。応援に駆けつけた井戸知事も自民党の推薦決定過程を念頭に、「国会議員が知事候補を決める横暴が許されるのか。兵庫が大阪に従うような構造を作ってしまっていいのか。兵庫は兵庫だ」と訴えた。
こうした構図に、完全無党派を掲げる元兵庫県加西市長の中川暢三氏(65)は「総務省(旧自治省)OBがずっと知事の席を独占し、国に支配されてきた」、元県議の金田峰生氏(55)=共産党推薦=は「県は行革で保健所も病床も減らし、医療崩壊を招いた」と批判。音楽塾経営の服部修氏(47)も支持を訴えた。【井上元宏、宮本翔平】
毎日新聞 2021/7/1 20:25(最終更新 7/1 21:39) 980文字
![出陣式ですみ分け 維新と自民、衆院選にらみ駆け引き 兵庫知事選 [ひよこ★]->画像>2枚](https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/07/01/20210701k0000m010335000p/9.jpg)
候補者に声援を送る有権者ら=神戸市中央区で2021年7月1日午前9時25分、梅田麻衣子撮影
1日告示された兵庫県知事選は無所属新人5人が立候補し、自民党が分裂する中で日本維新の会が初参戦したことで、秋までにある衆院選をにらんだ駆け引きが展開された。両党が推薦する元大阪府財政課長の斎藤元彦氏(43)の出陣式は、最初に行われた神戸市では両党が参加したものの、その後、兵庫県姫路市は自民、尼崎市は維新が単独で開き、すみ分けを徹底した。一方、元副知事の金沢和夫氏(65)の出陣式では自民党県議団所属の県議会議長が応援演説し、井戸敏三知事(75)も「大阪対兵庫の戦いだ」と維新への警戒心をあらわにした。知事選の投開票は18日。
斎藤氏の神戸市での出陣式には、自民党幹事長代行の野田聖子衆院議員が応援に駆けつけた。党県連会長の谷公一衆院議員は維新に触れず「自民党は幅広い仲間が斎藤氏を知事にふさわしいと選んだ」とあいさつし、兵庫維新の会代表の室井邦彦参院議員は「皆様とともに斎藤氏のために知事選を戦えることを光栄に思っている」と述べた。
![出陣式ですみ分け 維新と自民、衆院選にらみ駆け引き 兵庫知事選 [ひよこ★]->画像>2枚](https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/07/01/20210701k0000m010336000p/9.jpg)
兵庫県知事選が告示され、有権者に握手の代わりにグータッチで支持を訴える候補者(左)=神戸市中央区で2021年7月1日午前9時59分、久保玲撮影
斎藤氏は昼過ぎに姫路市で自民と、夕方には尼崎市で維新と出陣式に臨んだ。出席した日本維新の会の馬場伸幸幹事長は「改革の先頭を走る若武者として推挙した。しがらみのない政治を実現するリーダーになってもらい、兵庫でも改革を実現していきたい」と訴えた。斎藤氏の陣営関係者によると、今後も日程を両党で振り分けて応援するという。
一方、金沢氏の出陣式は自民県議団所属の兵庫県議会副議長が司会を務め、藤本百男議長が「党県議団32人の同志は最後までしっかり応援していく」と声を張り上げた。谷県連会長は6月、複数回にわたり、党推薦候補を不利にしないようにとの注意喚起の文書を出している。藤本議長は取材に「責任と誇りを持って粛々とやっている」と強調。応援に駆けつけた井戸知事も自民党の推薦決定過程を念頭に、「国会議員が知事候補を決める横暴が許されるのか。兵庫が大阪に従うような構造を作ってしまっていいのか。兵庫は兵庫だ」と訴えた。
こうした構図に、完全無党派を掲げる元兵庫県加西市長の中川暢三氏(65)は「総務省(旧自治省)OBがずっと知事の席を独占し、国に支配されてきた」、元県議の金田峰生氏(55)=共産党推薦=は「県は行革で保健所も病床も減らし、医療崩壊を招いた」と批判。音楽塾経営の服部修氏(47)も支持を訴えた。【井上元宏、宮本翔平】