三菱ケミカルホールディングスは14日、2020年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比1%減の1680億円になりそうだと発表した。自動車用電池材料や高機能プラスチックなどの機能商品事業が伸びる半面、樹脂原料やヘルスケア事業が振るわず、利益を圧迫する。
売上高にあたる売上収益は4%増の4兆800億円、一時的な損益を除いた本業のもうけを示す「コア営業利益」は5%減の3000億円を見込む。アクリル樹脂原料「MMA(メタクリル酸メチル)モノマー」の需要が、前期の後半から中国向けを中心に鈍化しており、今期も軟調な市況が続くとみる。医薬品分野は薬価改定の悪影響やロイヤルティー収入の減少を見込む。
記者会見した伊達英文最高財務責任者は、足元の米中の関税引き上げ合戦の影響について「まだ分からない」との認識を示した。年間配当は前期と同じ40円を計画する。
併せて発表した19年3月期の連結決算は、売上収益が前の期比5%増の3兆9234億円、純利益が20%減の1695億円だった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
2019/5/14 14:16
日本経済新聞
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